こんにちは!
「学びをもっと楽しく! わかりやすく!」する企画・制作ユニットmananicoです。当ブログにお越しいただき、ありがとうございます!
このブログでは、「親子旅行を再デザイン!家族全員の学び体験に」という新発想のプロジェクト「まなべる!トラベル」について詳しくご紹介しています。
まず冒頭にみなさまへのお礼からです。3月より告知をさせていただいておりましたクラウドファンディングが明日、22日で終了いたします。結果は現時点で目標の125%、ネクストゴールも達成させていただいております。
プロジェクトはすでに制作の佳境も佳境に突入しており、これも皆さまからの応援あってのことと、心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。引き続き、本の完成を楽しみにしていただき、応援を賜れれば幸いです。
さて、今日のテーマは、「こどもより、『くわしく』なくてよいのです!」ということ。とくに「まなべる!トラベル」においては。
どういうことか、説明していきますね!
目的のものに出会わないこともあれば、予想外に出会うことも
「えらべる! できる! ぼうけん図鑑 沖縄」の中には5分野、30テーマの“ぼうけん”をご紹介しますが、ひとつひとつ、たくさんの具体例が登場します。なるべくお子さまが、そして家族が「本当にいた!」と感動できるように、マニアックすぎず、それでいて沖縄ならではのものを、という視点でセレクトをしております。
でも!(もうこれはなんども書いておりますが)相手が自然や生き物である場合などは特に、天候の問題、季節の関係で「100%」出会えるということはありません。(だからこそ、分野のちがうテーマをご用意しているということもありますが、またそれは別の機会に)
いっぽうで(今日はココが大事)。「何かしら予想外のものにも出会えてしまう」というのも沖縄の魅力。
そうなんです。
例えば紹介しているおもしろガニを探しに行って、その先で本では紹介していなかったおもしろガニに出会えてしまったりします。カニではなくて、「ナンダコレ?貝?? 軟体動物???」みたいなこともおきます。(生き物だけではなく、旅行先ですから、料理から建物まで、「ナンダコレ!」はいたるところに)
だから、アンテナは常にON!「目的のものはどこかな?」にスイッチを入れていると同時に「何か面白いものはないかな?」のスイッチも入れておきましょう。
予想外を楽しむちょっとしたコツ
そんな宝探し的なフィールドワーク中に見つけた「何か」。お子さんから「これナニ?」って聞かれることもあるかもしれません。その時のために、今伝えておきたいことがあります。たぶん、わからないです(笑)。もちろん、準備よく「図鑑」や「ガイドブック」などをお持ちになっている場合はそれで調べることもアリですが、私たちとしては最初からそこまでしなくて、全く問題ないと考えています。
それよりも大切なのは、今、目の前にいるものを…
1:観察することそのもの
2:一緒に楽しむこと
大きく言えばこの2つです。
極端なことを言えば…
「ナンダコレー!知らない! ちょっと見せて…羽がビカビカしているから、ムラサキハデハデチョウとか? 〇〇ちゃんが名前つけるとしたらナニにする?」とかすごく良いです。
そうしたらきっと、何か「名前の由来になるような特ちょう」をきっとじっと観察するはずです。「ソーラーパネルアゲハ」になるかもしれませんし、「プリンセスチョウチョ」になるかもしれません。
先日、琉球大学で研究活動をされているかたわら、積極的に小学校などへの出張授業なども提供されている先生から、次のようなお話をいただきました。
「情報を正しく整理したり分類したりするような学びは、学年を重ねていくうち、いくらでもやります。まず自分が『面白い』と思うものを見つけ、じっくりと観察して、『面白いと思ったポイントを言語化してみる』ということを体験させてあげたいですね」
葉っぱみたいに見えるから『木の葉蝶』なんて名前つけて、後で調べたら「コノハチョウ」だったりするものです(ちなみに沖縄で運良くみることもある天然記念物)。見つけた時に、「なんか葉っぱみたい!」とピンと来たのなら、むしろそれこそ大きな成果、できすぎなくらい。
もうひとつ例をひとつあげましょう。沖縄の海では比較的よくみかける「イソアワモチ」という生き物がいます(ちなみに本土でも見つけることができますよ!)。地味な生き物ですが、こいつを子どもにまず「う○こマン!」と呼ばせたガイドさんがいました(ちなみにかなりバリューの高い体験をさせてくださる名ガイドさんです)。見た目もまあ、それっぽいちゃーそれっぽい。
もちろんですが、名前をつけられただけでうちの男子6歳は大喜び、うきゃきゃと喜びながら探すわけです。あっちにもいる!こっちにもいる!と見つけまくりです。なんなら散策中、手のひらに乗っけて歩いてたりします(ちゃんとあとで元に戻します)。
そんなこんなで観察するうち、あることがわかります。実は「う○こマン」、見つけるにはちょっとしたコツがあります。イソアワモチは移動しながら糞をする習性がありまして、磯遊び中、見つける時には地面に明らかに生き物が作ったであろう「糞でできた線」を探すことから始めると見つかりやすいのです(岩についた藻などを食べています)。
それがわかった途端(まぁ、つまり「う○こ」というキーワードなわけですが)、不思議なもので、浅瀬の岩場に擬態するようにくっついていたイソアワモチたちが見つかる見つかる!その頃には子どもたちの中でこの生き物に対する「愛着」にも似た感情が湧いてくるんですね(見つけ方を知ってるって、大事な「獲得」です)。
その面白い見た目から手に持って裏返したりしますから、イソアワモチは、実は「殻を捨てた貝の仲間」であることが理解しやすくなったりと・・・そこからは、情報が入りやすくなる。「興味、関心」は「愛着」とも近い場所にあり、物事に対して「愛着」を持てるようになるというのは、自分だけの学びを見つけるにはとっても大事なこと。
だから、もちろんすぐに図鑑で調べたりして、「正解を調べる」ことの前に、今、目の前のものに愛着を持てるくらいにフォーカスする、なんてことも意識しながら「ぼうけん」をしていただけたらなと思っています。
おうちのかたは詳しくなくていい あとで教えてもらえばいい
長々と語ってまいりましたが最後、目的のものにしろ、予想外のものにしろ「出会い」のその瞬間、おうちのかたとしては「どんな返しで十分なのか」という点です(どんな返しが“正解”なのか、ではないですよ)。
とうぜんながら、それがなんという名前の生き物でどういう習性があって、なんてことに答えられるくらい知識を先回りしてインプットしたり、素早く図鑑(あるいはスマホ)で検索できたりしなくて良いです。まずは横並びで「なんだろうね、コレ」ということにじっとフォーカスすることに「乗っかる」ことが大事かと思っています。観察によって、「こんな特ちょうがあるね、なんでだろうね」なんてことは、「対話」のほうがしやすいわけです。だから「教えてあげる」というようなことは必要なく、「知らないもの同士で気づきを伝え合う」ことのほうがむしろ尊いと私たちは考えます。
写真もきっと撮りますよね。その時は、「どの角度からだと可愛いかな?うらっかえした姿も撮る?」なんて、そこにも対話が生まれます。
そうやって見つけた発見。旅の終わりにはいくつになっているでしょうか? ひとつひとつ、写真を見ながらでも良いですし、本をパラパラと見返しながらでも良いので、ぜひ飛行機で横並びの時にでも振り返ってみてください。
いくつかあるうちの、「そういえばコレ、本当は名前なんていうんだろうね」という、疑問が残っていたらもうけものです! あとから学びを重ねるチャンス。愛着のあるものに関して、子どもは膨大な量の情報をインプットすることができます。関連する情報とのつなぎ合わせもこどもはとっても上手です。おうちのかたはそのためのツール(図鑑やら、上手に使えばネットの情報も!)を与えてあげて、むしろ、あとで教えてもらうつもりでいればよいのです(このことに関しては別の機会にまた詳しく。「教わる」だけでなく「教える」ことの効能ははかり知れません!)
何かひとつの「愛着」から学びを広げるためのきっかけ、それを旅の間にポコポコっと見つけられるように、ぜひ、オープンに、アンテナ全開で、「今、わからなくっても、最大限楽しむ!」学び体験をしてみてくださいね!